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当弁護士法人では”患者側に限定”して医療過誤訴訟を受任しております。
以下では、医療過誤訴訟の難しさと特色について一般的説明をしたいと思います。患者側としては、このような医療過誤訴訟の特色をよく理解して、闘いに挑む覚悟が必要です。
1,専門知識の偏在
医療側の弁護士は、医学の専門知識に乏しくても、依頼者が医療機関であることから専門家による助言を容易に得られます。これに対し、患者側の弁護士にとっては、医師の強力を得ることが必ずしも容易ではなく、専門知識による武装という点では圧倒的劣位にあります。
2,証拠の偏在
医療裁判では、医療機関の責任を追及するために重要な証拠がほとんど医療機関の管理下にあります。これに対し、患者側は裁判で「必要な証拠」を持っていないことが通常です。そこで患者側としては、いかにして、医療機関が保管している重要な証拠を入手するかが決め手になります。
3,費用の増大化
医療訴訟は一般的に高額な訴訟であることが多いため、弁護士費用だけではなく、申立手数料も高額化する傾向にあります。
また、それ以外にも付随的な費用が色々かかります。例えば、証拠保全する場合、病院に赴く際にコピーの代行業者を同行させればその費用もかかり、コピーの量も膨大であればコピー代も馬鹿になりません。また、協力してくれる医師があらわれても、医師に対する謝礼も当然必要になってきます。
最高裁判所事務総局発表(民事局集計)による「医事関係民事訴訟事件統計」(平成16年)によれば、平成17年度中において、全国の裁判所に新たに提起された医療過誤訴訟の件数(いわゆる新受件数)は1110件にも上っています。
下の図でも分かるように、8年前の平成8年度(575件)と比べると、実に2倍近く増えているのが分かります。
これを1日にすると、平均3件強の割合で全国どこかの裁判所に新たな医療過誤訴訟が提起されている勘定になります。
これに対し、同じく平成17年度中の既済事件は全国で1004件ですので、裁判所に係属中の事件(いわゆる未済事件)は、単純計算で8年前より1000件近く増加した勘定になります。
このような増加傾向を背景に、東京地裁・大阪地裁では、平成13年4月より、医療過誤事件を集中的に扱ういわゆる「医療集中部」が正式に設置されるに至っています。

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| 医療過誤訴訟における近年の認容率(原告側の勝訴率) |
一般の民事訴訟(通常訴訟)では、原告側が勝訴するケースが多いのが一般的です。原告側には「自分が負けるかもしれない」と思えば、「訴訟を起こさない」という選択肢があるわけですから、訴訟を敢えて選択したケースで「認容率」(原告側の勝訴率のこと)が結果的に高いのは当然かもしれません。
実際に判決に至った通常訴訟での認容率(一部認容を含む)を見ますと、平成8年から平成16年までの9年間の平均値で、85.4%という圧倒的な勝率となっています。
これに対して医療過誤訴訟では、同じく平成8年から平成16年までの9年間の平均値で、認容率は39.9%と大きく下回ります。これは通常訴訟の認容率の実に「半分以下」、ということになります。通常訴訟と比較した場合、医療過誤訴訟で勝訴を得ることの相対的な困難さが窺われます。
しかし長期的に見れば、医療過誤訴訟での認容率は、近年次第に上昇傾向にあります。
例えば、故・田宮二郎さん主演の「白い巨塔」がお茶の間をにぎわせていた昭和40年代前半には、医療過誤訴訟の認容率は11.1%という低水準にありましたが、昭和50年代になって30%を超えるようになり、平成8年(40.3%)、平成10年(44.0%)、平成12年には(46.8%)という高い認容率が記録されています。
このパーセンテージは前述の昭和40年代前半のそれの「4倍以上」であり、ある意味では隔世の感があるとも言えましょう。
これには様々な理由が考えられますが、ひとつには、権利意識の高揚とともに、いわゆる「専門家責任」に対する社会の視線が厳しさを増したことの反映であろうと思われます。また、医療過誤訴訟に専門的ないし集中的に取り組む原告側弁護士層が形成され、技術・ノウハウ等が次第に集積されるようになったことの成果でもあると思われます。
1,事実経過表の作成
事実経過が複雑な場合には、依頼者の方で事実経過表(時系列)を作成して、弁護士に持参又はファックスする。
2,医療文献の入手
@ インターネット
A 大学医学部図書館(弁護士であれば利用を認めてくれる所も少なくありま
せん)
B 医療事故情報センター
C 特定非営利活動法人ささえあい医療人権センター
3,協力医の紹介団体
@
医療事故調査会
A 特定非営利活動法人ささえあい医療人権センター
B 医療事故情報センター
※費用については各団体のホームページ等でご確認下さい
医療過誤訴訟では、入念な準備活動が必要であり、特に医療機関側に偏在している資料を入手するための証拠保全が重要になってきます。レセプトを除けば、その重要資料のほとんどが証拠保全によらなければ入手できません。
以下では、医療機関の手術ミスが疑われる場合を想定して、一般的に重要である資料を参考として掲げます。
@ 診療録
医師が作成しているものである。診療経過を把握する上で重要な資料となる。医師は、患者に対する診療を行った場合には、その診療経過を診療録に記載しなければならない(医師法24条1項、同法施行規則23条)
もっとも、これは毎日記載されているものではなく、医師が診察を行った際にしか記載されていない。
A 看護記録
看護師の作成にかかるもので、こちらは基本的に毎日記載されている。看護記録中に看護師が医師に指示を求めたり指示を受けたりした記載があるか、それに対する医師所見欄の記載があるかを確認することが重要なポイントとなる。
B 手術室看護記録
C 血液検査その他各種検査記録
D レセプト(診療報酬明細書)
レセプトについては、被保険者又は遺族が、各都道府県の社会保険事務所又は各市町村役場の国民健康保険課に請求すれば、原則として開示を受けられる(但し、ガン等疾患によっては、開示を受けられない場合もある)。
E 手術適応と診断した不整脈を記録した心電図
手術前にその手術適応を診断するために心電図が必ず取られている。
F 手術中ビデオ
それなりの医療施設であれば、手術をビデオ撮影している場合がほとんどである。
G 本件手術中に使用した使用機器のチェックリスト
これは当該手術で使用した消耗品のリストであり、このリストから実際にどのような手術が行われていたのかを推測する有力な材料となる。
H 手術場管理記録
看護師が記録している。その内容が手術記録と異なっている場合もあり、この記録の方が真実であることも珍しくない。
I 手術機器保管記録
看護師が作成しているもので、用意されていた手術機器の詳細が分かる。
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