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≫ 弁護士選びの重要性
依頼者の人生を大きく左右するような重大な事件が起こっても、通常の依頼者にとっては、日頃から弁護士との付き合いはなく、また、弁護士は一般的に敷居も高く、弁護士選びは容易ではありません。しかも、弁護士という職業の専門性からも適切な弁護士か否かの判断は、法律の素人にとって容易ではありません。
では、依頼者の皆さんが通常どのように弁護士を選んでいるかというと、友人に弁護士を紹介してもらったり、弁護士会や市役所の法律相談で担当だった弁護士に受任してもらったりするのが多いようです。
しかし、そうすると、どのような弁護士に依頼するかは、極めて偶然に左右されることになります。最近は、インターネットが普及したお陰で、身近に知り合いの弁護士がいなくても、法律事務所のホームページを見て弁護士を探したり、法律事務所を比較して自分に合った弁護士を探すことも可能になりました。
もっとも、インターネットの普及は、法律事務所や弁護士に関する豊富な情報を利用者に提供しますが、皮肉なことに、皆さんの弁護士選びを困難にしてしまう側面もあります。なぜならば、情報の過多は、却って依頼者の判断を困難にするからです。3人の弁護士から1人の弁護士を選ぶことよりも、1000人の弁護士から選び出すほうが遥かに難しいのです。
したがって、弁護士を選ぶに当たっては、自分なりの弁護士選びの基準ないし目安を決めておかないと、結局適切な弁護士選びは実現できません。そこで、依頼者が弁護士選びをする上での有効な判断基準をご提案したいと思います。
その1≫ 依頼者の話に良く耳を傾ける弁護士か!?
依頼者のもっとも多い不満の理由の筆頭にあげられるのがこれです。実際に、依頼者の話にしっかりと耳を傾けない弁護士は意外と多いものです。
これはどうしてかというと、弁護士は職業柄、法律的観点から依頼者の話を聴く習性があるのに対して、依頼者は、自分が話したいことを話す傾向があるからです。
その結果、依頼者が重要だと思って熱弁しているにもかかわらず、弁護士の立場から見ると重要ではないという認識の不一致が生じてしまうのです。
しかし、依頼者は、法律の素人なのですから、何が法律的に重要なのかは正確に判断できないのは当然です。
したがって、依頼者の話に注意深く耳を傾けたうえで、どうしてそれが重要ではないのかを丁寧に説明してくれる弁護士が良い弁護士ということになると思います。
このような弁護士は、依頼者との信頼関係の構築に真剣であるといえ、結果的に良い仕事をするからです。
その2≫ 元気がある弁護士か!?
弁護士という職業は、大変ストレスの溜まる仕事です。というのは、少し想像してもらえば分かると思いますが、日常的に紛争に巻き込まれているからです。
一般の人々にとって“裁判沙汰”は非日常的なできごとですが、私たちは、人を訴えることを仕事としているのです。少し乱暴な表現をすれば、“けんか”が私たちの仕事です。しかも、これはかなり面倒で骨が折れるけんかです。というのは、裁判所という土俵の中で”法律”というルールにのっとってけんかをするため、相手を一発殴れば決着がつくことでも、大変な時間を要するからです。
このような面倒なけんかを継続していくには、大変な忍耐力とエネルギーを必要とすることは容易に想像できるでしょう。そのためには、何よりもそのようなストレスをものともしない“元気さ”が必要です。
その3≫ 事件処理のスケジュールについて詳細に説明する弁護士か!?
弁護士は、受任した事件を訴訟に乗せた場合、その裁判が今後どのように進行していくのかをある程度予想できますが、法律の素人である依頼者、特に初めて弁護士を利用される人は、例えば、法廷(口頭弁論期日)が平均的に月1回のペースで開かれるということすら知りません。
したがって、弁護士は訴状を裁判所に提出すると、被告から答弁書が提出されるまで何もすることがないのですが、そのような裁判の進行について依頼者にしっかり説明しておかないと、依頼者にとっては弁護士が業務を怠っているように見えてしまいます。
また、依頼者は紛争を解決するために弁護士に依頼しているわけですから、解決の見通し(勝訴又は和解の可能性、解決に要する期間等)が立たないと安心して眠れません。
したがって、事件進行の十分な見通しを訊ねるのは依頼者の当然の権利であり、また、弁護士にはそれをしっかり説明する義務があります。依頼者の置かれた状況を理解し、信頼関係の維持に努力する弁護士は、良い弁護士であると言えます。
その4≫ 依頼者へのマメな報告を心掛けている弁護士か!?
弁護士の仕事振りというのは、依頼者からは大変見えにくいものです。その理由は、大きく分けて2つあります。
1つは、弁護士の仕事がサービス業であるという点です。サービスには基本的に形がありません(サービスの無形性)。そのため、手にとって触ってみたり、実際に試用してみてその品質を確かめることもできません。
2つ目は、弁護士の仕事の高度な専門性です。弁護士の提供するものがサービスであることに加え、専門性が高まると益々依頼者にとって、弁護士の仕事の質を評価することが困難になります。
このように、無形で理解困難なサービスを提供している弁護士としては、できるだけ依頼者の理解を助けるために、マメな報告を心掛ける必要があります(このことを当弁護士法人では、“サービスの可視化”と呼んでいます)。マメな報告は、依頼者との信頼関係を築くのに役立つだけではなく、弁護士の仕事を可視化し、ひいては高いサービスの質を維持することに役立つのです。
その5≫ 明朗会計を心掛け、費用について丁寧に説明する弁護士か!?
費用の問題は、”弁護士と依頼者の信頼関係の生命線”であるといっても過言ではありません。
費用の問題をルーズにする弁護士は、依頼者との信頼関係を軽視しているばかりか、結果的に弁護士のぼったくりを誘発することにもなります。
ある刑事事件の被疑者からのクレームで、着手金30万円だと言われたのでリーズナブルな金額だと判断して依頼したところ、接見のたびに日当名目10万円請求され、瞬く間に弁護士費用が100万円を越えてしまったという話を聴いたことがあります。依頼者としては、十分注意したいところです。
”良い弁護士”を選んだつもりでも安心してはいけません。依頼者が油断すると、たちまちサボりだす弁護士もいないとは限らないからです。弁護士をサボらせないためには依頼者の“不断の監視”が必要です。
監視といっても難しいことではありません。次のことをしっかりとあなたの弁護士に伝えてください。
1.「訴状、答弁書、準備書面などは全てコピーをください。」
これらの書面は、いずれも専門的な議論が展開されるので、依頼者には読んでも理解できないなどという理由で、依頼者に交付したがらない弁護士がいます。確かに、一読しても、依頼者には理解が困難な場合もあるでしょう。しかし、分からなかったら弁護士に説明を求めればよいのです。そして、何よりも、これらの書面の交付を求めることで、弁護士の手抜きを防止できます。
2.「事件処理の報告はできれば詳しく聴きたいので、電話ではなく、事務
所に伺いますから、連絡をください。」
事件処理の報告を受ける度にわざわざ法律事務所を訪問するのは、いささか面倒かもしれません。しかし、弁護士にとっては、電話で報告する方が依頼者を事務所に読んで報告するよりもはるかに楽です。面倒かもしれませんが、あなたの人生を左右する重大な事件を依頼しているのですから、できるだけ法律事務所で報告を受けましょう。その方が、電話よりもはるかに詳しい報告を受けられます。
3.「期日毎に、期日後2日以内には結果を報告してください。」
弁護士は、数多くの事件を手がけており、また、日々時間に追われているので、期日が終わった後、依頼者への連絡を忘れることも珍しくありません。迅速な報告を求めることで、少々うるさい依頼者だと思われた方が、弁護士の手抜きを防止できます。
1.なぜ相性が重要なのか?
これは、弁護士に限らず、サービス業全般について言えることですが、同じサービス提供者(法律事務所の場合は、弁護士やスタッフ)であっても、全く同一のサービスを提供できるとは限りません。むしろ、サービスの内容が異なる場合が多いのです(これをサービスの異質性と言います)。
例えば、たとえベテランの敏腕弁護士であっても、依頼者との相性が悪いと提供するサービスの質は下がります。逆に、少々経験不足な弁護士であっいても、依頼者との相性がよければ、依頼者のために奮闘し、ベテラン顔負けの良い仕事をすることも珍しくありません。なぜそうなるのかというと、弁護士はモノではなく生身の人間だからです。
したがって、弁護士に良い仕事をさせようと思ったら、相性はけっこう重要なのです。
2.弁護士の性格分析と相性
弁護士のタイプを性格に基づいていくつかに分類して見ました。あなたの性格や好みも踏まえ、相性の良い弁護士を選ぶ際の参考にしてみてください。
@ 猪突猛進タイプ
このタイプの弁護士は、総じて気さくで話しやすいという印象を受けます。精力的に活動するので、少々面倒な事件でも快く引き受ける傾向があります。また、裁判所が関心を示さないような事案でも容赦なく突撃し、裁判官を攻撃することさえも辞さないという、考えようによっては頼もしいタイプです。
しかし、短所としては、依頼者の10倍話したりすることがあるので、自分ばかり話し、相手の話をあまり聴かないという印象を与えることもあるようです。「弁護士はそのくらいの方が頼もしい」という人には相性がよいかもしれません。
A 論客タイプ
声が大きくて議論好きなタイプです。分かりやすく言えば、テレビの討論番組などに登場するようなタイプです。このタイプは、大変元気があるので、一見すると、猪突猛進タイプに似ています。
しかし、このタイプの最大の特徴は、理論的な話が大好きである点です。したがって、理論的な話をする依頼者との会話は好みますが、感情的な話にはあまり聞く耳を持たないという点が短所でしょう。
B クールな分析タイプ
理系の秀才に多いタイプです。このタイプは、一見すると、やる気がないように見えます。そして、依頼者と距離を置きながら依頼者自身をも分析対象としてしまうので、なかなか依頼者の立場になって感情移入をしてくれません。
しかしながら、相手方の主張や証拠に対しても緻密な分析を加え、鋭い反論を展開したりするのもこのタイプなので、見かけ以上の仕事をします。とっつきにくいタイプですが、弁護士としては優秀かもしれません。
C 人情派タイプ
このタイプは、依頼者が10喋るのに対して、1くらいしか喋りません。では、人の話を聴いていないのかというとそんなことはなく、もらい涙を浮かべ、「うん、うん」と頷きながら話を聴いてくれます。依頼者からもっとも信頼されるのもこのタイプで、裁判で敗訴しても、「先生は頑張ってくれた!」などと依頼者を感動させることもあるようです。
しかし、人情派であることと弁護士としての能力は別です。「判例が間違っている」などと裁判所を批判しますが、時には自分の世界に入ってしまうこともあります。六法全書よりも浪花節を好むので悪い人はいないのですが、弁護士として物足りないことも少なくありません。
D 口が達者な営業マンタイプ
このタイプもよく喋るので、時には猪突猛進タイプや論客タイプと区別が難しい場合があります。見分ける方法ですが、都合のよい話やうますぎる話をする場合は、このタイプの可能性が大きいでしょう。やたらと訴訟を勧められたら要注意です。
しかし、このタイプは、依頼者がお金持ちだと俄然ファイトが沸いてくるタイプでもあるので、あなたがお金持ちならば意外と相性は良いかもしれません。また、億単位のような大型訴訟となると、他の依頼者の仕事はそっちのけで頑張ったりします。
まず、確実に言えることは、男か女かで弁
護士としての能力には全く差はありません。これは自信をもって断言できます。
しかしながら、事件の種類によっては、同性の弁護士に依頼したほうがよい場合もあります。そのようなケースの典型例をいくつか紹介しておきますので、参考にしてみてください。
1.離婚事件
原則としては、異性の弁護士に依頼しても問題はありません。「男(又は女)には、女心(又は男心)が分からないのではないか」ということを心配する人がいますが、そのようなことが裁判で争点となるようなことはほとんど考えられません。
しかしながら、次のような事情がある場合には、同性の弁護士に依頼したほうがベターでしょう。
@ あなたが異性に強い不信感を抱いてしまっている場合
この場合は同性の弁護士に依頼したほうが無難です。いくらその弁護士が有能で性差別をしない弁護士であっても、あなたが異性に強い不信感を抱いていると、途中でその弁護士にも不信感を抱いてしまったり、信頼関係に亀裂が生じる場合があるからです。
A 性の不一致が争点となっている場合
この場合も同性の弁護士の方がよいでしょう。裁判では抽象的な議論は許されません。具体的に、どのように不一致なのかが重大な争点となります。弁護士も依頼者から相談された場合、かなり踏み込んだ質問をすることになります。他人同士である男女がこのような会話をするのは容易ではなく、スムーズなコミュニケーションの大きな障害にもなります。これは弁護士が依頼者のために良い仕事をする上で大きな妨げになると思います。
B DVが争点となっている場合
弁護士といえども人間です。そして、残念ながら、男性弁護士の中には、些細な暴力くらい問題ないのではないか、と考える人もいるようです。しかし、女性は、たとえ一発でも男性から殴られることに大変な恐怖を感じるものです。男性の暴力が如何に女性にとって恐怖となるのか、その心情を正確に裁判官に伝えるには、一般的に男性にとっては簡単なことではありません。したがって、この手の事案では、女性の弁護士に依頼した方が良いかもしれません。
もっとも、男性弁護士の中には、DV問題に大きな関心を持ち、数多くのDV事案を手がけている人もいます。このような弁護士であれば、豊富な経験を通じてDV問題の深刻さを理解していると思いますから問題はないでしょう。
2.セクハラ事件
この場合も前述した性の不一致のケースと同様に原則として同性の弁護士に依頼したほうが良いでしょう。かなり踏み込んだ密度の濃い打ち合わせができるからです。
もちろん、男性弁護士の中にも、セクハラ問題に強い関心を持ち、豊富な経験を有する優秀な弁護士はいます。しかし、あなたが女性であれば、話しずらいことに変わりはありません。どんなに優秀な弁護士で、セクハラ事件に豊富な経験を持っていても、あなたがしっかり内容を説明できなければ、弁護士も実力を発揮できないことは言うまでもありません。
3.痴漢の刑事事件の場合
被害者(通常は、女性)が痴漢の刑事事件で弁護士に依頼する場合は、被疑者・被告人(通常は、男性)の弁護人が示談の申込みをしてきた場合でしょう。法律の素人である被害者が、弁護士相手に交渉するのは容易ではありませんから、示談交渉に応じるために弁護士に依頼する人も少なくありません。しかし、被害者が示談交渉の代理人を選ぶ場合は、あまり弁護士の性別を気にする必要はないと思います。というのは、この場合は、被害者側は裁判外で慰謝料を請求するだけだからです。
しかし、男性の被疑者・被告人が弁護人を選任する場合は、原則として男性弁護士の方が良いのではないかと思います。というのは、女性弁護士の多くは、痴漢をするような男性をかなり軽蔑している傾向があると思われるからです。これに対して、男性弁護士の中には痴漢をする男性にシンパシーを感じる場合も少なくありません。同情してくれて真剣に事件に取り組んでくれることも期待できるのではないでしょうか?
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